八潮の伝統行事
八潮市で行われる伝統行事をご紹介します。
(季節や開催期間等、過去の情報が掲載されている場合がありますので、ご注意ください。)
木曽根の弓ぶち
木曽根氷川神社は、永禄年中(1558~1570)に神様が祭られたといわれています。
ここで行われる木曽根の弓ぶちは、八潮地方を代表するオビシャ行事(年頭に行われる弓神事)です。
木曽根の弓ぶちは、1月の成人の日に近い日曜日に4つの祭り組(上集地・中集地・下集地・新田丁)によって行われます。
神主による神事の後、大急ぎで弓ぶちの準備をします。
鳥居と社殿を結ぶ敷石に鬼(雄・雌)と墨書した雌雄一対の的を並べて固定します。
雌鬼(左)と雄鬼(右)の的
祭り組の射手が2本ずつ的を射ます。
矢が的の上を通れば大風、下を通れば長雨の凶作、
「鬼」の字の上半分に当たれば水田、下半分に当たれば畑が豊作とされます。
神主や子供たち、年男や年女の方も的を射ます。
最後に矢を2本ずつ揃えて、東・西それぞれの的を3回繰り返して矢を通し、
的の紙を破る通し矢(厄落し)をして「弓ぶち」が終わります。
●弓ぶちは八潮の伝統的な行事のひとつです。機会がありましたら是非ご覧ください。
平成8年3月9日 八潮市指定民俗文化財(無形民俗文化財)
八潮市大字木曽根1092番地(木曽根氷川神社)
平成9年3月18日 埼玉県選択無形民俗文化財
鶴ケ曽根の弓ぶち
木曽根の弓ぶちに続き、鶴ヶ曽根上久伊豆神社では1月第3日曜日に、鶴ヶ曽根下久伊豆神社では1月下旬にオビシャ行事(弓ぶち)が行われます。
鬼の絵や「鬼」と書いた的を立て、的に矢を射り、当たり具合でその年の吉凶を占います。
鶴ヶ曽根は上と下の二つのムラ組に分かれ、それぞれの鎮守に久伊豆神社が祀られています。
《上久伊豆神社での様子》
小学生も弓ぶちの見学に来ます。
鬼の字を墨書した一対の的。特に男女の区別はありません。(左)
男女の鬼の絵が描かれた一対の的。今回の女鬼はイヤリングでオシャレ。(右)
最初の人が鬼門と裏鬼門に矢を射ると、次々と的に向かって矢を放ちます。
豊作祈願、家内安全、無病息災など様々な願いが込められています。
子どもたちも弓を打ちます。
最後は、氏子さんたち子どもたち全員で的を射て、五穀豊穣を祈願して「弓ぶち」が終わります。
《下久伊豆神社での様子》
的書きは、朱書きと墨書きで二重円や三重円を描きます。
各組が各々の順番で的をめがけて矢を射ります。
矢は様々な方向へ飛んでゆき、的中する度に大きな歓声が上がります。
的射の行事が終わると境内で焼却して「弓ぶち」が終わります。
●弓ぶちは八潮の伝統的な行事のひとつです。機会がありましたら是非ご覧ください。
平成12年3月28日 八潮市指定民俗文化財(無形民俗文化財)
平成9年3月18日 埼玉県選択無形民俗文化財
八潮市鶴ヶ曽根1941番地(鶴ヶ曽根上久伊豆神社)
八潮市鶴ヶ曽根1821番地(鶴ヶ曽根下久伊豆神社)
鶴ヶ曽根の蛇ねじり
鶴ヶ曽根の蛇ねじりは、毎年4月20日に鶴ヶ曽根上久伊豆神社と鶴ヶ曽根下久伊豆神社で行われる「辻切り」行事です。辻切り行事とは、村などの地域の出入り口にあたる道や辻に、魔を防いだり、追い払うためのお供えなどを行うものです。
上久伊豆神社
午前中は、上久伊豆神社で蛇ねじりが行われます。
神社境内に氏子達が藁を運び、わら蛇を編みます。できた蛇にお神酒を飲ませた後、八条・鶴ヶ曽根境の下妻道上の中川堤に祀り、村に悪霊や悪疫の入り込むのを防ぎます。
上組(上久伊豆神社)では五目むすびを作ります。
氏子の皆さんがわら蛇を編んでいきます。
完成したわら蛇を中川まで運びます。
わら蛇を下妻道だった場所に祀り、蛇ねじりの終了です。
平成12年3月28日 八潮市指定民俗文化財(無形民俗文化財)
平成9年3月18日 埼玉県選択無形民俗文化財
●八潮市大字鶴ヶ曽根1941番地(鶴ヶ曽根上久伊豆神社)
下久伊豆神社
午後は、下久伊豆神社で蛇ねじりが行われます。
氏子が藁を境内に持ち寄りイチョウの木に縄を縛り、わら蛇の胴体を編みます。
別に造った蛇の頭部と結合させてわら蛇を完成させ、辻切りに使う笹竹とともに神前に供えます。
その後参加した氏子全員でわら蛇を持ち、かつての村の入口があった愛宕神社跡まで練り歩き、近くの紅葉の木に結びつけます。
また、持昌院付近の道の両側に笹竹を2本立てて、辻切りを行います。
下組(下久伊豆神社)の行事は古い祭礼の形態をとどめており、大きな蛇は見ごたえがあります。
大量の藁が用意され、イチョウの木に縛りながら、わら蛇を編んでいきます。
完成したわら蛇を神前に供えたあと、愛宕神社跡まで運びます。
わら蛇は紅葉の木に結びつけられ、蛇ねじりが終了します。
平成12年3月28日 八潮市指定民俗文化財(無形民俗文化財)
平成9年3月18日 埼玉県選択無形民俗文化財
●八潮市大字鶴ヶ曽根1821番地(鶴ヶ曽根下久伊豆神社)
大瀬の獅子舞
大瀬の獅子舞は、毎年7月の第1土曜日と日曜日に開催されます。3匹の親子獅子が富士山に登る物語を描いた舞で、大獅子、中獅子、女獅子の3匹はそれぞれ特徴的な表情・面構えで見る人を圧倒します。
また、囃子笛を用いて奏でられる数々の笛の音は、聞く人を魅了し、情緒あふれる八潮の文化を感じさせてくれます。
2日間にわたり、八潮の伝統的な舞と笛の音を感じることができます。
獅子舞登場です!
大獅子と中獅子には立派な角とヒゲがあります。
女獅子は優しげな表情です。
大瀬の獅子舞
埼玉県指定民俗文化財(無形民俗文化財):平成3年3月15日
●八潮市大字大瀬1501番地(大瀬氷川神社)
二丁目の獅子舞
大瀬の獅子舞に続き、八潮市では二丁目の獅子舞が行われます。
二丁目の獅子舞は、毎年7月の第3日曜日に開催されます。
「田の草獅子」とも呼ばれる二丁目の獅子舞は、かがむことが多く特徴的な舞を見ることができます。
3匹の獅子の舞の間に拝歌がうたわれ、獅子宿では場謡(ばうたい)がうたわれるなど、古式にのっとった祭礼が継承されています。
獅子舞の登場。最初は顔を隠しています。
低い体勢が多い、特徴的な舞です。
凛々しい横顔です。
二丁目の獅子舞
八潮市指定民俗文化財(無形民俗文化財):昭和46年3月16日
●八潮市大字二丁目196番地1(二丁目氷川神社)